カウンターの天板のすぐ下には、ハンドバッグ置きporta-bolsosが備えられている。「カバン置き」ではなく、わざわざ「ハンドバッグ置き」と直訳したのは、女性のハンドバッグを置くにはちょうどよいが、男性用のかばんを置くには小さすぎることが多いからである。実際、スペインで街をゆく男性を観察していると、カバンを持ち歩く人が意外に少ないことに気づくので、そのあたりにこの大きさの理由があるのではないかと私は思うのであるが、いかがなものだろうか。
このハンドバック置きからさらに下の足元に視線を移すと、今度はカウンターのふもとに備えられた高さ10cmから15cmほどの足置きreposapiesが見える。この足置きは鉄棒やレンガでできた独立型のほか、カウンターに付設された一体型などがあり、どちらもカウンターにもたれかかったときやスツールに軽く腰をかけたときに、姿勢を安定させるのに実に効果的に作用する。
一方、カウンターの上部には寿司屋のネタ置きのような、タパtapaを陳列するためのケースvitrinaが置かれていて、単なるガラスケースのものと、冷蔵機能の付いたものとがある。店舗用機器の専門店で見かけた冷蔵機能付きの150cmタイプ(ガラスの陳列ケースの部分は105cm)のものは、119,000ペセタで売られていた。
但しグラナダでは、注文してからその場で調理するタパが多いので、陳列ケースがあっても単なる食材入れや物置きになっていることも多い。