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紙ナプキン
紙ナプキンとポイ捨ての美学
おお、何とも汚いバルの床 次に、今度はバルの床に目を移すと、使い終えた紙ナプキンservilleta、コーヒーやお茶に付く砂糖の袋、タバコの空き箱、ときにはエビの頭やオリーブの種などが山のように捨てられていて、なんだか随分と汚い。タタミ文化の靴脱ぎ国からやってきたニッポン人の私は、やはり違和感を覚えずにはいられない。などと考えているうちに、また紙ナプキンが捨てられた。

"郷に入りては郷に従え。Donde fueres haz como vieres."

と諺にいうくらいである。ものの試しに私も砂糖の空いた袋を床に捨ててみたが、するとあることに気づいた。それは、

「カウンターの上にあったゴミを床に捨てれば、カウンターの上のゴミがなくなる」

のである。まあ、少し考えれば当然であるが、ゴミを床に捨てればカウンターの上がきれいな状態に保たれるというのは、バルでは意外に重要なことなのかもしれない。というのも、バルのカウンターという場所は、過剰なサービスが供されず、あくまでセルフサービスによって成り立っている、という原則を垣間見た気がしたからである。
パンを食べるときの姿勢 このポイ捨てを観察していると、他にもわかったことがある。例えば、他の客がカウンターでトーストなどを食べるとき、パンクズを床に落よすようにカウンターから少しだけ身を引いているのだ。なるほど、こうすれば客が入れ替わる際に、わざわざ店員がカウンターの上のゴミを片づけたり拭いたりする必要がなくなるわけである。

などと、考え続けているうちに、ゴミは次々に捨てられてゆく。乾燥した気候のスペインでは、紙ナプキンのような乾いたものであれば、ホウキ ―というかブラシ― cepilloでさっと掃けばすぐにきれいになる。ホウキでは掃きにくい水分を含んだゴミのためにオガクズを用いることもある。だから、なかなかきれいにならないタバコの吸い殻などは灰皿を用いた方が無難ではないだろうか。それにこの頃は、カウンターの下にきちんとゴミバコが備えられていて、

UTILICEN LAS PAPELERAS. ゴミバコを使用すること。

などと書かれた紙が張られているバルもある。

また、後になって、このポイ捨ての習慣についてスペイン人女性に尋ねてみたところ、これは家庭でゴミを捨てて女性に掃除させる、大変に男性的な習慣だという答えが返ってきた。若者や都会人、特に女性はこの習慣をあまりよく思ってないそうなので、あまり調子にのってポイポイと捨てない方がよいかもしれない。
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